Instagramを眺めていると「安全なフッ素加工のフライパンです!」という広告をよく見かけます。
コメント欄には「便利です!」「買ってよかった!」といった声が並んでいます。
んんんん〜違和感。
「本当に安全なの?」
ここでは「安全」とうたうフッ素加工の背景や、鉄フライパンという選択肢について整理してみます。
デュポン社の事件から学べること
映画『Dark Waters(ダーク・ウォーターズ)』は、フッ素加工に使われる化学物質「PFOA(C8)」の危険性を告発した実話に基づいています。
- 1998年、米国ウェストバージニア州の酪農家が、デュポン工場の廃棄物で牛が病気になっていると訴えました。
- 弁護士ロブ・ビロットは調査を進め、デュポンが有害性を知りながら何十年も隠してきた事実を暴きました。
- 集団訴訟の結果、デュポンとその関連会社は数億ドル規模の和解に至りました。
この事件は「便利さや見た目の良さの裏に、健康や環境を損なうリスクが潜んでいる」ことを教えてくれます。
「安全なフッ素加工」は本当に安全?
Instagramで見たフライパン広告では「PFOA・PFOS不使用」と表示されています。
確かにこれらは規制され、代替品に置き換えられました。
しかし、新しいフッ素化合物が「本当に安全なのか」は、まだ十分に検証されていません。
つまり「安全」と表現されていても、それは「現時点で禁止されていない」だけの場合もあるのです。
鉄フライパンの安心感とメリット
一方、鉄や鋳鉄のフライパンはとてもシンプルです。
有害なフッ素化合物は一切使われていません。
- 化学物質を使わない安全性
- 油ならし(シーズニング)で、使うほどくっつきにくくなる
- 微量の鉄分が溶け出し、鉄分補給にも役立つ
シーズニングとは「フライパンに薄く油を塗って加熱し、油の膜を作ること」です。
この油膜は使うほど育ち、自然な“ノンスティック=くっつかない状態”になっていきます。
つまり、フッ素加工のフライパンは「買ったときがピーク」で、傷つけば性能が落ちていきます。
けれど鉄フライパンは「使うほどに育っていく」――この違いはとても大きいのです。
便利さと安全、あなたはどちらを選びますか?
フッ素加工のフライパンは「くっつかない」「後片付けがラク」という便利さがあります。
しかしその便利さと引き換えに「長期的なリスク」を抱える可能性もあるのです。
これは料理だけに限らず、日々の暮らしの選択すべてに通じること。
「目先の快適さを取るか、それとも手間があっても安心を取るか」――。
私は後者を選びたいと思っています。
こびりつきや後片付けの面倒さと引き換えに「安心」を得られる方が、自分と家族にとって本当のプラスだからです。
私の実体験
私自身も、鉄のフライパンを育てています。
最初は焦げつきやすくて手間がかかることもありましたが、だんだんと“マイフライパン”の特性がわかってきました。
今では、油をなじませるたびに少しずつ表面が育ち、食材がスッと離れる瞬間があります。
まるでフライパンと共演して料理を作っているような感覚です。
フッ素加工のフライパンは「買ったときが一番使いやすい」けれど、鉄のフライパンは「使うほどに育ち、自分の相棒になっていく」。
その違いは、安心や安全だけでなく、料理そのものの楽しさにもつながっています。
あなたなら、どんな相棒を選びますか?
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