午後の陽射しが緩やかに差し込む休日、家事をひと段落させて、ベランダの洗濯物をぼんやりと眺めながらお茶を飲んでいた。
静かな部屋には、私ひとりだけ。
かつては、子どもたちの笑い声や足音があふれていたこの空間に、今は穏やかな沈黙だけが満ちていた。
私は、三度の結婚と三度の離婚を経験した。
愛したつもりだった。幸せになれると信じた。
でもそのたびに、現実の重さと向き合い、私は一つずつ夢を手放してきた。
それでも私は、生きている。
過食嘔吐で体を壊し、絶望の中にいたあの頃。
「消えてしまいたい」そんな言葉が毎日のように頭の中を回っていた。
でも、お腹に宿った命が、私を現実に引き戻してくれた。
「私、守らなきゃいけないものがある。」
そこから私は少しずつ変わっていった。資格を取り、働き、子どもを育てた。
何度も泣きたくなる日もあった。誰にも言えない怒りや哀しみで、声にならない夜もあった。
けれど、今――
私の息子たちは、立派に自分の人生を歩いている。
長男は家庭を持ち、次男は自立し、それぞれの道をしっかりと踏みしめている。
私は、もう誰かにすがる人生はやめた。
「一人で生きる強さ」と「誰かを信じるやさしさ」は、矛盾しない。
その両方を持つには、私はこれだけの時間と痛みが必要だったのだと思う。
そして今、私は「カウンセリング」という形で、自分の経験を誰かのために役立てたいと思っている。
あの頃の私のように、暗闇でもがいている誰かの、光になりたい。
もう私は、過去に戻らない。
罪悪感にも、後悔にも縛られない。
私は今、自由な鳥だ。
誰の許可もいらない。どこへでも飛んでいける。
空は広く、世界はまだ私を待っている。
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