押し入れの奥にあったもの

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――バブル世代の老後戦略は「捨てる」ことから始まる――

押し入れの奥から、
ブランド物の紙袋が、何枚も出てきた。

ヴィトン。
シャネル。
バーバリー。

中身はもうない。
紙袋だけが、きれいに畳まれて重ねてあった。

捨てられなかった理由

捨てられなかった。

「いつか使うかも」じゃない。

「持っていた証拠」として、
取っておいたんだと思う。

バブル期世代にとって、
紙袋ですら資産だった。

見せるために持っていた時代

20代の頃、
ブランドのショッパーは「持ち歩くもの」だった。

中身が何であろうと、関係ない。
紙袋を見せて歩いていた。

あの頃は、それが普通だった。

57歳の押し入れに残っていたもの

でも今。

57歳の押し入れに、
30年前の紙袋が静かに眠っている。

老後が怖くなったのは、
お金の話を聞いた日じゃない。

押し入れを開けた日だった。

「このまま死んだら」と思った瞬間

このまま死んだら、
息子がこれを片付けるのか。

そう思った瞬間、体の力が抜けた。

見栄で買ったもの。
見栄で捨てなかったもの。
見栄で取っておいたもの。

全部、息子に押し付けることになる。

片付けは「過去の自分」を手放すこと

片付けを始めた。

ブランドの紙袋を、全部捨てた。
使っていないバッグも、
着ていない服も、
読み返さない本も。

捨てながら、気づいた。

私は、ものを捨てているんじゃなかった。

「すごいと思われたかった自分」を、
捨てていた。

バブル世代が信じていたもの

バブル期世代は、

頑張れば報われると信じていた。
結婚すれば安定すると思っていた。
いいものを持てば価値が上がると思っていた。

でも、

報われなかった。
結婚で壊れた。
ブランドでも満たされなかった。

全部、私だ。

老後が怖い本当の理由

老後が怖いのは、
お金がないからじゃない。

「すごい人でいなきゃ」という思いを、
まだ手放せていないから。

片付けの本当の意味

片付けは、ものを減らす作業じゃない。

「すごく見せたい自分」を、
ひとつずつ降ろしていく作業。

押し入れが軽くなると、
未来も軽くなる。

これからの生き方

これから先、私は、
すごい人にならなくていい。

後悔しなかった人になる。

バブル世代の老後戦略

老後戦略は、「捨てる」ことから始まる。

持ち物も。
見栄も。
昔の自分も。

あなたの押し入れの奥にあるもの

もし今、
押し入れの奥に「捨てられないもの」があるなら、

それが、
あなたの不安の正体かもしれない。

次に何を手放すかは、
明日の私が決める。

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